「見守る保育」
子どもは、自ら成長しようとする力を生まれながらに持っています。
その力を引き出すために、当園では何でも保育者が「やってあげる」のではなく、それぞれの子どもの発達段階を捉え、子どもたちで出来そうなことは見守り、援助が必要ならば、保育者が手を差し伸べるようにしています。
なぜそのようなことをするのか?
それは、「自分で考えて行動する力」や「人と関わる力」といった力(非認知能力)がこれからの時代に必要とされるからです。
縦割りではない「異年齢保育」
当園では年齢別の横割りをクラスの基本としつつ、遊びや生活の各場面では、自然に異年齢集団になります。
小学校から年齢別の横割りクラスが主流となっています。それは教師が生徒に知識を教えるのに適しているからです。
その考えが今の保育園や幼稚園などに広がっております。
4月2日〜翌年の4月1日生まれの子どもを同じクラスとして扱うため、同じクラスでありながら4月1日生まれの子どもは4月2日生まれの子どもとほぼ1年の差があるわけです。特に子どもが小さいうちはその1年の違いは大きく、月齢・年齢によって体格や身体能力など発達度合いに差が出てきます。
異年齢保育とは、単にクラスをまたいだグループを作って活動すると言う事ではありません。「学び合い」「育ち合い」のためには、生年月日にこだわらず、それぞれの発達を踏まえて、その時の課題を解決するためにどのような集団が最も適しているかを考えて構成し、設定教育・保育活動をおこなっております。
約45人の園児は、年齢の異なる6人で構成する小グループ(むらさき・おれんじ・みずいろ・あか・みどり・きいろ・あお・きみどり・ぴんく)に分かれ、水やり、ベッド敷き、ランチテーブル拭き、絵本の整理などの奉仕活動を経験します。
年上の園児がリーダーとなり、それぞれの活動のコツを伝授し、自分の役割を認識することにより自己肯定感を培います。
この経験は普段の自由遊びにも活かされ異年齢での生活を通して今を生きる力を養います。
また、グループ活動の一環として、園庭で季節の野菜を育て実際に食材としていただくことで、自然の不思議や尊さ、ありがたさを経験する活動を行います。
年齢毎の活動としては、「朝の会」「帰りの会」を行います。
「チーム保育」
保育室はオープンスペースとなっており、3〜5歳児は異年齢交流によるチーム保育をおこないます。
「チーム保育」とは、一人の保育教諭が一つのクラスを保育するのではなく、複数のクラスを複数の先生が保育するという考え方で、医療の世界における「チーム医療」の考え方に似ています。
チームは、保育教諭が週ごとにリーダー、サブ、アシスタントの役割分担をしています。
複数担当制のよさは、以下のような利点があります。
- 教育保育の選択性など、子どもの個性を尊重した多様な活動が設定できる。
- 保育教諭にも個性があり、子どもとの関係も豊かになる。
(複数担任で個々のお子さんの発達を評価し、必要な援助を行います。) - 保育教諭同士のコミュニケーションが進み、子ども理解や保育が深まる。
子ども相互の関係作りや社会性を伴う集団生活の中で大切な体験が出来るように、又、一人一人の発達課題や興味、関心、習熟度に応じて自分自身で選択できるように環境を用意します。
「特別保育」
本園では、次の特別教室をおこなっております。
(1)英語であそぼう(外部講師:岩松美代先生)
早期教育というものでなく、異文化に触れたり英語に対して興味・関心がもてる遊びの1つとして、ふつうに経験するはずの歌やゲームや言葉を、絵本やカード、CDなどを使って楽しくおこないます。
(毎月2回実施 3・4・5歳児対象)
(2)知能工作教室
知能工作は、これまでの工作教育や知能教育とは違います。作るだけが目的の図画工作ではありません。また、切って貼って評価するという知能教育でもありません。脳科学、心理学、教育学を統合した新しい教育運動です。
各時間、知能因子をベースに自分で手や指を使って工作をし、その完成した作品で課題やゲームをして何回でも遊ぶことから、手や頭を使って考えることは楽しいことなのだという、意欲・集中力を培うことを目標としています。(4・5歳児対象)
(3)お茶教室
お茶教室は、次のことを目的におこなっております。
- 楽しくお茶をいただく。
- お茶を通して「五つの心」を養う。
(思いやりの心、優しい心、感謝の心、譲り合いの心、美しさにふれる心) - お茶という日本の文化を体験する。
(4)体育教室
幼児期の運動能力は知能と相関すると言われておりますので、全身を鍛える運動に力を入れてまいります。
- サッカー教室 (外部講師:鶴岡地区サッカー協会)
西部公園グラウンドを利用して、毎月1回行います。(5歳児対象) - 体育教室 (外部講師: 五十嵐先生)
マット運動、跳び箱、鉄棒、ボール遊び、縄跳び、リズム体操を毎月行います。
(4・5歳児対象)
(5)就学を前提とした模擬小学校
当園では、就学を前にした1月に入ると、年長の「つばさ組」に対し、模擬小学校の「美咲小学校」を開校します。
これは18年度より実施しており、朝暘第六小学校のご協力をいただき、小学校の教育活動への円滑な接続に向けた学習規律につながる習慣づくりを目的としております。例年、子ども達は美咲小学校が始まることで、卒園が近いことを意識し、新たに始まる小学校生活を楽しみにしております。
- 机と椅子に座って、先生のお話が聞けること。
- 「ひらがな」の読み書きができ、自分の名前が書けること。
- 道徳性と規範意識の芽生えとして、「思いやり」と「ルールの理解」を大切にする。
- 数量や図形、標識や文字などへの関心が養われるようにする。
- 当番活動(職員室への出席報告、乳児クラスでの「お手伝い保育」)
(6)「育脳」教室
0歳児からの「育脳教育プログラム」(久保田式育児法)を実践しております。
- 記憶力、思考力、判断力といった考える力に影響する重要な脳の領域である大脳皮質の「前頭連合野」を0歳から徹底して鍛えることで、自発的に考え、行動し、問題を解く力をもった人へと成長させるための土台を築くことを目的としています。
- 久保田式育児法は、脳の発達時期に応じて、何を与え、何をさせればよいかを脳科学研究の専門知識と実際の子育て経験をもとにして開発した「賢い脳を育てる」育児法です。
- 指導者として認定された教諭が指導にあたります。
▼久保田式育児法の詳細動画
(7)「和太鼓・音楽」教室(4・5歳児)
(8)「PCタブレット」教室(5歳児)
幼児期の終わりまで育ってほしい姿の内、「道徳性・規範意識の芽生え」、「社会生活との関わり」、「思考力の芽生え」、「数量・図形・文字等への関心」をタブレットの教材を活用しております。
令和の学びのスタンダードとしてギガスクール構想の本格運用が全国的に始まり、小学校一年生から一人一台端末が配備され授業や自主学習に活用されております。
このようなことから、本園の「美咲小学校」活動の中に、タブレットを組み入れて幼児コースと小学校コースに分かれて学びを高めております。